東京高等裁判所 昭和60年(ネ)3628号 判決 1987年8月06日
甲事件控訴人(原告) 大沼康良 外一名
乙事件被控訴人(原告) 村田文雄
甲事件被控訴人 乙事件控訴人(被告) 日本電信電話公社訴訟承継人日本電信電話株式会社
主文
一 甲事件につき、第一審原告大沼康良及び同板倉正良の本件各控訴を棄却する。
二 1 乙事件につき、原判決主文第一、第二項を取り消す。
2 第一審原告村田文雄の請求をいずれも棄却する。
三 甲事件の控訴費用は、第一審原告大沼康良及び同板倉正良らの負担とし、乙事件の訴訟費用は、第一、第二審とも第一審原告村田文雄の負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
(甲事件につき)
一 第一審原告大沼康良及び同板倉正良
1 原判決を取り消す。
2 第一審被告が右各第一審原告に対し昭和五三年一〇月一二日付けでした戒告の懲戒処分は、いずれも無効であることを確認する。
3 第一審被告は、
(一) 第一審原告大沼康良に対し、金一万〇四四四円及び内金五二二二円に対する昭和五三年一二月二日から完済まで年五分の割合による金員を、
(二) 第一審原告板倉正良に対し、金一万二二三六円及び内金六一一八円に対する昭和五三年一二月二日から完済まで年五分の割合による金員を、
(三) 第一審原告大沼康良及び同板倉正良に対し、各金一〇〇万円及びこれに対する昭和六〇年二月二日から完済まで年五分の割合による金員を、
それぞれ支払え。
4 訴訟費用は、第一、第二審とも第一審被告の負担とする。
5 仮執行宣言
二 第一審被告
主文第一項同旨
(乙事件につき)
一 第一審被告
1 主文第二項1、2同旨
2 訴訟費用は、第一、第二審とも第一審原告村田文雄の負担とする。
二 第一審原告村田文雄
本件控訴を棄却する。
第二当事者の主張
次のとおり付加、訂正、削除するほかは、原判決事実摘示欄の「第二 当事者の主張」(原判決三枚目裏八行目冒頭から三四枚目裏一〇行目末尾まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
一 第一審被告
1 一一枚目表五行目の「休日となる」の次に「(管理者を除く一般の職員一一名にとつて、土曜日に勤務に就くのは、四週に一回の割合である。)」を、七行目の「一回程度」の次に「(職員一人当たり月に一、二回程度)」を、それぞれ加える。
2 一四枚目表一〇行目の「吉田巡回保全長」の前に「相波清第一整備課長は、一旦事が起これば、情報連絡体制の中に組み入れられ、その関係業務にかかりきりになることが必要となり、従前行われたような欠務者の代替要員として勤務することは困難となつていたし、またもう一人の管理者である」を加える。
3 一四枚目裏九行目の「また、」から一五枚目表四行目の「問題がある。」までを次のとおり改める。
「元来、第一審被告公社の就業規則上は、勤務割の変更については、『業務上の必要があるとき』は可能であるとされているのに対し、週休日の変更については、『業務上やむをえない理由があるとき』に限つてなされる旨、その変更の要件が厳格に規定されているのであるが、第一審被告公社と全国電気通信労働組合(以下『全電通』という。)との間で昭和五〇年一〇月二〇日になされた協議の後は、定型勤務者については、土曜日及び日曜日の週休日の変更は行わないとの運用が従前からなされていることを当然の前提としたうえで、『いわゆるカギ休日又は週休日が平日に設定される場合であつて、当該カギ休日又は週休日が一週間以内の会議・訓練の出張にあたり、その会議・訓練の日程変更が困難な場合あるいは当該職員以外に代替性がない場合についてのみ、真に止むを得ない事情のあるものとして、当該カギ休日又は週休日が設定されている日から四週間の範囲内において他の日に振り替えることができることとする』旨の、週休日等の変更に関する厳しい制約付きの運用が行われることとなつた。そして第一整備課の職員については、前記のような勤務形態からみて、職員一人当たり月に一、二回程度の宿直宿明勤務に就く点において、完全な定型勤務者には当たらないものの、右の点を除けば、その勤務形態は、月曜日から金曜日までの日勤勤務と四週間に一回の割合による土曜日の半日勤務であつて、週休日は、原則として土曜日と日曜日に固定されているところから、同課の服務は、実質上、定型勤務に当たるという認識が労使間に共通のものとして定着していた。したがつて、第一整備課において、土曜日に勤務すべき者が年休を取得した結果、最低配置人員を欠くことになり、その欠務を補充するために、本来の週休者である一般職員の勤務割を変更するということは、前記の就業規則及び労使慣行に照らし、全く不可能というべきであり、現に同課においては、過去にそのような週休者の勤務割を変更した例は、一回も無かつた。しかも、人事考課権を有する上司が本来の週休予定者に対しその変更の可否を打診することは、事実上、週休権の行使を制約するという弊害を生じ易い点をも併せ考えれば、仮に、一般論として、時季変更権の行使に当たり、使用者に代替勤務者確保の努力義務があるとしても、その代替者が週休者である場合には、週休日の変更が日常的に行われているなどの特段の事情が認められない限り、原則として、週休者は右努力義務の対象者に含まれないと解すべきである(このように解さないと、週休権よりも年休のための時季指定権に優位性を認める結果となり、かつ、第一整備課における従前の安定した労使慣行を破壊するという不当な事態を招くこととなる。)。」
二 第一審原告村田文雄、同大沼康良及び同板倉正良
1 二九枚目表八行目の「具体的内容、」の次に「相波課長及び」を加える。
2 二九枚目裏一行目の「あつたとしても、」の次に「第一整備課の服務は、定型勤務ではなく、準定型勤務であつて、同課の一般職員にとつて、土曜日が週休日となるか否かは、常に流動的であつて、勤務割によつて初めて定まるものであるから、」を加える。
3 三一枚目表第一〇行目の「働き掛けた。」を次のとおり改める。
「働き掛けたばかりではなく、第一審原告大沼が、直接同僚に対し代替勤務を依頼し、その承諾を得たうえ、稲葉課長に対しその旨を説明して、九月一七日の年休の時季指定を申し出たにもかかわらず、同課長は、口実を設けては代替勤務を認めることはできない旨を表明した。しかも、九月一七日については、同課長自身明番で、午前八時五五分以降の勤務の予定は無かつたものであるから、同課長が代替勤務を行うことにより業務運営に支障を生じさせないことが可能であつた。このように、使用者によつて意図的に代替勤務者を無くさせることによつて、時季変更権行使の要件である『業務運営上の支障』が作出された場合には、代替勤務者欠如の負担は、使用者が負うべきであつて、第一審原告大沼に対する時季変更権の行使は、無効である。」
4 三三枚目表一行目の「これに」から二行目末尾までを次のとおり改める。
「第一審原告板倉を成田空港開港反対集会に出席させないため、大手町統制電話中継所次長の石川敬一郎ら管理者と協議のうえ、同原告の年休の時季指定に対処する時間的余裕が充分あり、かつ、現実にも同原告に代わつて九月一七日に勤務することができる者がいたにもかかわらず、これに積極的に対処しようとせず、むしろ『要員不足』なる時季変更権行使の条件(口実)作りをしていたものであるから、右時季変更権行使は、無効である。」
第三証拠<省略>
理由
一 当裁判所は、第一審被告が第一審原告らに対してした時季変更権の行使は、いずれも適法であるから、第一審原告らがした各年休の時季指定はその効果を生ぜず、第一審原告らがその時季指定に係る日に出勤しなかつたことは、就業規則五条一項により禁止された無断欠勤に該当し、第一審原告らには、同規則五九条一八号所定の懲戒事由が存在し、第一審被告がこれを理由に公社法三三条に基づいてした本件各懲戒処分は、有効であり、また、無断欠勤を理由とする本件各賃金カットも有効であつて、第一審被告が第一審原告らに対し不法行為に基づく損害賠償義務を負ういわれは何ら存しないから、第一審原告らの本訴請求は、すべて失当であると判断する。その理由は、次のとおり付加、訂正、削除するほかは、原判決理由説示欄(原判決三六枚目表二行目冒頭から七八枚目表八行目末尾まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
1 三七枚目裏二行目の「証人」を「原審証人」と改め、以下「証人」とあるのはすべて「原審証人」と改め、また同行目「原告」を「原審における第一審原告」と改める。
2 三八枚目裏四行目の「及び第四二号証、」から五行目の「原告村田」までを「、第四二号証及び第六九号証、原審証人相波清の証言により成立が認められる乙第一九号証並びに原審証人野口理彦、同相波清及び当審証人岩朝秀夫の各証言並びに原審における第一審原告村田」と改める。
3 三九枚目表末行の「一般職員」から三九枚目裏一行目の「三名が」までを「一般職員一一名が二名ないし三名の固定的な組み合わせにより四週間に一回の周期で、」と改め、四、五行目の「以外」の次に「(一般職員についてみれば、四週間に三回)」を、五行目の「週休日となる。」の次に「そして土曜日に半日勤務を行つた一般職員については、当該土曜日に続く翌週の月曜日が有給の週休日とされ、第一審被告公社においては、これを『カギ休日』と通称している。」を、五行目の「一回程度」の次に「(一般職員一人当たりおおむね月に一、二回程度)」を、また、一〇行目の「定められる。」の次に「そして、一般職員の週休日は、当該週に宿直宿明勤務に就いたか否かに関わりなく、四週のうち、三週は土曜日と日曜日で、残りの一週(土曜日の半日勤務を行つた週の直後)は日曜日と月曜日という風に、固定的に設定されていた。」を、それぞれ加える。
4 四〇枚目表五行目の「乙第二号証」の次に「及び第一九号証」を加え、七、八行目の「及び第一九号証」を削り、八行目の「及び」を「、」と改め、九行目の「謙三」の次に「及び当審証人岩朝秀夫」を加える。
5 四〇枚目裏三行目の「一一種」を「一二種」と、八行目の「七種」を「八種」と、それぞれ改める。
6 四二枚目裏八行目の「常態であつたが」を「常態であつて、毎月作成される勤務割表においても、当初は右のような人員を割り振ることとされていたが」と改める。
7 四三枚目表五行目の「このように」の次に「土曜日に」を、八、九行目の「対処してきた」の次に「ものであつて、右のような事態に備えるため、管理者により、週休予定の一般職員の勤務割を変更して、臨時に土曜日の出勤を命ずる措置がとられることは、皆無であり、また、一般職員の間にも、土曜日の週休日は、当然休みの日であるから、土曜日の週休予定者が、勤務割の変更により、出勤を命じられることはあり得ないとの認識が確固として存在していた」を、それぞれ加える。
8 四三枚目裏七行目の「障害が」の前に「第一整備課の職員が配置される日時に」を、同行目の「場合に」の次に「おいても、」を、それぞれ加える。
9 四七枚目表四行目の「年休は」の次に「、これを取得しようとする職員本人から、年休管理の権限と責任をもつ直属の課長に対して、直接申請するものとするなど、」を加える。
10 四八枚目裏三行目の「ならない」の次に「(前記四の冒頭に掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、右のような異常事態が生じた場合には、相波課長においても、第一整備課の責任者として、直ちに東京統制無線中継所に駆けつけ、上司の指示を受けつつ、関係諸機関との情報連絡等の任務を遂行することが必要であつて、第一審原告村田の欠務を補充し、その代替を務めることを予定することはできなかつたものと認めることができる。)」を加える。
11 四八枚目裏九行目の「被告は、」から五二枚目表四行目末尾までを次のとおり改める。
「第一審被告は、この点につき、第一整備課の勤務形態、労使慣行等に照らし、他の週休予定の一般職員の勤務割を変更して代替勤務者を確保することは、不可能であり、第一審被告としては、右勤務割変更の方法をとつてまで代替勤務者を確保するよう努力する義務までは負つていない旨の主張をするので、この点につき、更に検討する。
(一) 労働基準法三九条一、二項に定める労働者の年休権については、同法三九条三項本文、一一四条、一一九条一号の法意に照らし、使用者には、できるだけ労働者が指定した時季に休暇を取得することができるよう配慮すべきことが要請されているものというべきである。そして、同法三九条三項ただし書きにいう『事業の正常な運営を妨げる場合』に当たるか否かの判断に際しては、勤務割による勤務体制がとられている事業場においては、代替勤務者の確保の難易がその重要な判断要素となるのであるが、同法が他方では、週休制の原則を実効あらしめるための制度(三七条、一一九条一号)をも設けていることに鑑みれば、代替勤務者に予定される者が週休者である場合にあつては、同法三九条三項ただし書きの時季変更権行使の要件を充足するか否かを判断する基準としては、当該事業場における週休権保障の強弱の度合(週休者の勤務割変更の難易度)、労使の慣行等を参酌して、使用者としての通常の配慮をすれば、勤務割を変更して週休者の中から代替勤務者を確保することが客観的に可能な状況にあつたか否かが重要な要素になるものと解するのが相当である。
(二) 右の見地から、第一整備課における一般職員の週休制の運用の状況について検討する。
(1) 第一整備課においては、一般職員の週休日が土曜日と日曜日又は日曜日と月曜日に固定されていたこと、最低必要人員しか配置されていない土曜日に勤務の指定を受けた一般職員が年休を取得するのに備えて、管理者一名を常に配置して欠務の補充に当て、一般職員の週休予定者に対しては、その勤務割を変更して勤務に就くよう命ぜられた例は皆無であること及びその結果、一般職員については、週休日の勤務割の変更がなされることはあり得ないとの認識が労使間に共通に確立していたことは、先に説示したとおりである。
(2) 成立に争いのない乙第五六号証の一、六〇号証、六六号証の一、二、原審証人福井謙三、同相波清、当審証人岩朝秀夫の各証言、原審における第一審原告村田の本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、前記のような共通認識が確立された背景事情として、次の事実を認めることができる。
ア 第一審被告公社の就業規則二六条一項には『職員の勤務割は、業務の必要があるときは変更されることがある』旨、また、三一条一項には『週休日は、業務上やむを得ない理由があるときは、他の日に変更されることがある』旨、更に全電通との間の労働協約(五二中約第三号―七)六条二項には『業務上必要ある場合は、週休日を他の日に振り替えることができる』旨、それぞれ規定されているが、現実の運用においては、週休日は変更されるべきではないとの全電通の強い要望により、定型勤務者(月曜日から金曜日までの平日は午前八時三〇分から午後五時一〇分まで、土曜日は午前八時三〇分から午後零時三〇分までの常日勤服務を行う者)のうち、週休日が土曜日、日曜日に固定されている者については、週休日の変更は、極めて例外的な場合を除いては、ほぼ完全になされるべきではないとされるに至り、次いで昭和五〇年一〇月二〇日の組合交渉以後は、定型勤務者のうち、営業窓口部門の職員などカギ休日又は週休日が平日に設定される者についても、『当該カギ休日又は週休日が一週間以内の会議・訓練の出張にあたり、iその会議・訓練の日程変更が困難な場合あるいは、ii 当該職員以外に代替性がない場合についてのみ真に止むを得ない事情のあるものとして、当該カギ休日又は週休日が設定されている日から四週間の範囲内において他の日に振り替えることができる』という、極めて厳格な制約付きのもとでのみ、週休日の変更がなされることとされるに至つた。
イ 第一整備課の一般職員は、前示のとおり、月に一、二回程度の宿直宿明勤務が課されるという点においては、完全な定型勤務者とはいえないものの、昭和四八年二月に輪番服務形態による二四時間勤務体制が廃止された後は、一般職員は、原則として日勤勤務のみを行い、かつ、その週休日が固定されているところから、自他共に定型勤務者ないしこれに準ずる者であると目されるようになつた。
ウ 右ア、イの事情等が合わさつて、第一整備課の一般職員についても、他の職域の定型勤務者と同様、当局の都合により週休日の変更がなされることは、まずあり得ないこととされ、したがつて、最低必要人員しか配置されていない土曜日に、本来の勤務予定者が年休を取つたため、要員不足を生じたとしても、その代替要員として、本来の週休予定者に対し、勤務割変更のうえ出勤が命じられることは、およそあり得べからざることであつて、右欠務の補充の責任は、すべて管理者にあるという認識が労使間に定着した。
(三) 以上の事実関係を前提にして本件時季変更権行使の適否につき判断するに、第一審原告村田の年休の時季指定にかかる九月一六日については、第一審被告としては、通常は、最低必要人員しか配置されていない土曜日に勤務割の指定を受けた一般職員が年休を取得するのに支障のないようにするため、常に同時に一名の管理者をも配置して対処することにしていたのであるが、前記のように、たまたま、成田空港開港百日闘争最終日間近で、第一審被告の施設等に対する無差別的破壊活動が行なわれるおそれが大であるという極めて異常な事態に直面していたところから、第一審被告において、特別保守体制をとることを余儀なくされたため、管理者による欠務補充の方法をとることができなくなつたものであり、かつ、週休日の変更が常時行われている職場であればまだしも(かかる職場であつても、人事考課権を有する管理者が部下職員に対し週休日の振替の可否を打診すること自体、全く問題が無いわけではないが、この点は別論として暫く置くとして。)、週休日の変更はほぼ完全に行われないとの運用が定着している本件第一整備課においても、なお年休権の行使を実効あらしめるため、週休予定者の中から代替要員を確保するよう努力すべきことを管理者に求めることは、管理者に難きを強いることになるばかりか、週休者の権利に影響するところも大きく(殊に本件で問題とされる九月一六日の土曜日は、その前日が敬老の日の祝日に当たり、またその翌日の一七日が日曜日であるから、週休日の固定されている第一整備課の一般職員にあつては、前記大川と第一審原告村田を除けば、他は全員三連休を取れることになつており、各自連休の予定があつたであろうことは、弁論の全趣旨から容易に推認することができるのであるから、本件において、他の週休者に対しその勤務割の変更をして出勤を命ずることは、週休権者の犠牲の上に年休権の行使を肯認することになりかねない。)、これらの諸事情を総合すれば、本件において相波課長が通常の配慮をしただけでは、一般職員による代替要員を確保することも不可能であつたと認めるのが相当である。
そうすると、相波課長が他の代替勤務者確保の可能性につき検討しないまま、最低必要人員に欠員が生ずるので、事業の正常な運営を妨げる場合に当たるとして、時季変更権を行使したことをもつて、年休権の実効性を確保するため使用者に要請される配慮義務を尽くさなかつたというを得ないから、本件時季変更権の行使は、適法であるというべきである。」
12 五三枚目表末行及び六〇枚目裏七行目の「原告」をそれぞれ「原審における第一審原告」と改める。
13 六五枚目表二行目の「他の者」を「他の週休予定者」と改める。
14 六六枚目表末行の「第二の四、五」を「第二の四」と改める。
15 六七枚目表二行目の「そして、」の次に「第一審原告大沼は、第一審被告において、第一審原告大沼を成田空港の開港に反対する集会に参加させないため、ことさら時季変更権行使の要件を作出した旨主張し、当審証人吉田彰男の証言により真正に成立したものと認められる甲第四四号証の一、二及び原審及び当審証人吉田彰男の証言並びに原審における第一審原告大沼の本人尋問の結果中には、右主張に副う記載部分及び供述部分があるが、右は、原審証人野口理彦、同稲葉次夫の証言と対比して、にわかに採用することができず、他に右事実を認めるに足りる的確な証拠はなく、また、」を加える。
16 六七枚目裏三行目、六八枚目裏八行目及び七〇枚目裏五行目の「原告」をそれぞれ「原審における第一審原告」と改める。
17 七五枚目裏七行目の「なお、」の次に「第一審原告板倉は、第一審被告において、第一審原告板倉を成田空港の開港に反対する集会に参加させないため、ことさら時季変更権の要件を作出した旨主張し、原審及び当審における第一審原告板倉の本人尋問の結果中には、右主張に副う供述部分があるが、右は、原審証人石川敬一郎、同雉岡恵太郎の証言と対比して、にわかに採用することができず、他に右事実を認めるに足りる的確な証拠はなく、また、」を加える。
18 七六枚目表一行目冒頭から七七枚目裏六行目の「原告板倉」までを「前記第二ないし第四で説示したとおり、第一審被告が第一審原告ら」と改める。
二 よつて、原判決のうち、第一審原告大沼及び同板倉の各請求を棄却した部分は相当であつて、第一審原告大沼及び同板倉の甲事件の本件控訴はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、第一審原告村田の請求を一部認容した部分は失当であり、第一審被告の乙事件の本件控訴は理由があるから、右部分を取り消し第一審原告村田の請求をいずれも棄却することとし、甲事件の控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条、九三条を、乙事件の訴訟費用の負担につき同法九六条、八九条を、それぞれ適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 大西勝也 鈴木經夫 山崎宏征)